2011年11月21日月曜日

Bandung life

数日前までインドネシアのバンドンにいた。


ちょうどジャカルタから東へ3時間程車に揺られた学園都市。





インドネシア第三の都市は、カオス。
一番強烈に感じた印象は『広告以外が全て色褪せている』こと。







最近まで分からなかったのだが、日本にいると、先進国にいると、
世界の普通でないことが分からなかったりする。
恥ずかしいことに自分は今までそうだった。
全てが色褪せているのがグローバルで見たときのマジョリティーで
普通なんだ。


ただ、過疎化した日本の田舎と違う点は街に勢いがあるということ。
こればっかりは千聞は一見に如かずで、
実際に空気に触れて自分の肌で感じないと分からない。
バンドンの人達は生き生きした目をしている。
タクシーの運転手さんですら希望に満ちて、日々を送っている。




以前にお会いした方に貴重なお言葉をいただいた。
『質問ばっかりしているやつはばかだ。』
『人生は一生自己紹介なんだ。』
『ギブしてギブしてギブしてちょうどバランスがいい。』
その方は世界各国を飛び回っており、自分とはスケールや知見が
圧倒的に差があった。
と同時にこの差はあるフィールドでは埋めなければいけない。
絶対に負けなくないとも思った。


その想いからの2ヶ月後にバンドン。
この場所にはあまり日本人が住んでいないらしい。200人ぐらい。
というより、最近日本人が歩いていない場所に行くことが多い。
それでいいんだと思う。
人生は、逆ばりの方が面白いんだと。天の邪鬼だから素直になれない。


また今回の旅で感じたのはBlackBerryが向こうではハイパー人気なこと。
もう、周りを見渡してみてもみんなBlackBerry。
これを保有することが一種のステータスになってるみたい。
そして、通信料をおさえてfacebookにアクセス出来るので便利みたい。
一番の目的はBBメッセンジャーだけど。
沢山の着せ替えシールもあって、日本では考えられない状況。




まあ、そんなこんなで食中毒になり飛行機のって病院に搬送されたりしてますが
なんとか生きております。


これからはちょいちょいブログ更新していきますね。


2011年9月24日土曜日

Ad and Media




今回は広告屋さんのお話です。


ぼくはBtoCのwebやさんなので、基本的にインターネットのSoftwareサービスのキャッチアップなどが主な刺激です。

一方で、人間のアウトプットの質を上げるには脳の様々な部分に一次情報もしくは一流の刺激を与える必要があると思っています。

9/23,9/24でCreative Kitchenというとても有名なクリエーターの方々がコミュニケーションの考え方を共有していただけるイベントに行ってきました。

ぼくは広告側の人間ではないので間違いなどが多々あるので、ぜひご指摘していただけると幸いです。







まずはAndes Beer 動画はご存知でしょうか。
これは
【Situation】男性は友達とバーにビールを飲みにいくのが好き
【Problem】 女性は彼氏が自分を置いて友達とバーに行くことを嫌っている
【Solution】皆さんはどうしますか?? それに対する解決策が以下の動画です。
こういった人を魅了するものを作るために、クリエーターは色々試行錯誤するわけです。







チームラボの猪子さんの有名な作品『ZEN』

日本の水墨画に注目したときに、日本の画家で水墨画のみを描いていた人はいませんでした。
両方を描いている人がほとんどです。
そして海外で水墨画は広まらなかったという前提で考えたときに、
実は戦後の海外の教育が入る前の日本では、
日本人の目からみた世界は、今我々が見ている世界と異なるのではないかと考えたそうです。


水墨画は風景画が中心で、家などの人工物はほとんどでてこないです。
昔の日本人が世界を見たときに、生命エネルギーが見えたのではないか。
そして、
その生命エネルギーというオーラを水墨画で落とし込んだのではないか
という仮説をたてたそうです。
ドラゴンボールの悟空が出すびよびよも生命エネルギーだと猪子さんは
おっしゃってました。

そういう観点から作られたのがこの作品。

1つの物事をあらゆる仮説を立てて人々が驚く仕組みを作る姿勢がとても印象的でした。
















そして、もう1つのセッションは
カンヌの作品を噛み砕きながら今のクリエイティブがどのような方向に向かっているかを説明するもの。
電通の岸さんや樋口さん、博報堂の木村さんや島さんのセッション。


例えば、コカコーラがよくやっている人を幸せにするキャンペーンの1つ。




これが自分の大学やオフィスにあったらおそらくみんなコーラを購入したくなると思います。




クリエイティブの人達
【人々の意識をどう変え】
【人々の行動をどう変え】
【人々をどう動かすか】
を徹底的に考えてみます。



上の2つの例は、ユーザー参加型の広告です。
一方で、これはネットサービスにも同様なことがいえるのではないでしょうか。
いかに導線を作り(マーケティングをして)
いかにプレイさせて(メディアコンテンツを作成し)
いかに人に伝えるか(バイラルを生み出すか)



BtoB側はユーザーが参加したくなる広告を、PRを人々のライフスタイルや深層心理、クライアントの問題をベースに徹底的に考えている印象を受けました。
一方で、BtoCは人間の根本的な欲求をデータドリブンを使ってアジャイル開発で徹底的に考えてサービスにしています。
メディアが発達したことで、2つの境目はどんどんなくなってきている気がしました。
行っている内容はとても近しいものがあり、これらの共通項を結びつけることで、人の根源的欲求を満たすサービスは今まで異常に出てくるのではないかなと。
そして、現段階ではBtoB側の人達が今までのクリエイティブを応用させる形でBtoC側に入ってきている気がします。


様々なテリトリーの物事をいかに結びつけるか、
YouTubeやfacebookが発達してくることで可能性が広がってきているなという印象。
色々な一流の作品に触れることで触発される部分は沢山あります。


Game changingはこれからの自分の課題です。

2011年3月30日水曜日

about startup1

アメリカにはスタートアップする際に支援してくれる仕組みがいくつかあります。
日本もこれに追いつこうといくつもインキュベーションが生まれていますが、やはりアメリカが最先端です。特に有名なのはY CombinatorとTechStars。


実際にカリフォルニアに行ってみて、シリコンバレーで世界規模のサービスが出る要因の一部として実感したのが投資環境とメンターです。この2つは日本ではアメリカの比ではないぐらいまだまだ弱い。



前回のブログで、『インターネット分野での勝ち方は決まってきている』と書きましたが、これらの裏には間違いなく投資環境とメンターの役割があります。


・投資環境という点では、スタートアップの段階で日々の生活のことを考えない程度に資金調達が出来る環境が整っていること(もちろんいいサービスに限ります)。
これは、開発チームが受託やマネタイズの意識などをせずとも自分たちの信じている最高のサービスを作りつづけることが出来るという点で圧倒的にスタートアップには有利な状況です。
最近ではQuora、Asana、Pathなどが最高の環境下で開発に専念しています。
言うまでもなくGoogle,facebook,twitterも創業数年間はまともに収益が出ていません。

・メンターという点では、スタートアップのチームに総合職がいる必要がないことを意味します(メンターを除く)。
資金調達や経営ノウハウなどはメンターやアドバイザー依存が可能なので、こちらも同様にリーンスタートアップに集中出来ます。
facebookの軌跡をたどれば分かることですが、facebookの初期ではSean Pakerというビジネス面で一度成功しているメンターがビジネス面を全て行い、Mark ZuckerbergやDustin Moskovitzがひたすら開発を行っていました。
日本では成功した経営者は経営を行い続けるため、こういったメンターが圧倒的に不足していると思います。


以上を踏まえたときにリーンスタートアップは最高に近い戦略で、Ycomやtechstarsは最高に近い環境なのです。





日本ではあまりなじみのないtechstarsとYcomに関してちょっと調べてみました。




techstarsは基本的にはYcomと同じ仕組みをとっているみたいで、異なるのはYcomだとメンタープログラムは毎週火曜の夜ですが、techstarsは週に2、3回程度行われていること。






ちなみにYcomの仕組みを簡単に説明しておきます。今回のパロアルトの旅でYcomに入っていたGinzaMetricsのRay Grieselhuberに色々お話を聞いてきたので参考になれば幸いです。




  • スタートアップの立ち上げ期、あるいはシード期のスタートアップに投資をする



  • 投資額は一般には1社あたり1万1,000ドル(日本円で90万円)に加えて創業者一人あたり3,000ドル(同25万円)を投資する。つまり、創業者が3人いれば投資額は2万ドル(同164万円)になる


  • 上記の投資額でY Combinatorは2〜10パーセントのシェアを持つ。平均は6ないし7パーセントなので、たとえば2万ドルで7パーセントのシェアだとすると、投資を受けた会社の価値はいきなりおよそ28万6,000ドル(日本円で2,300万円程度)となる



  • この投資額で何をするかというと3カ月という期間でローンチできる製品(のプロトタイプやベータ版)を作る



  • 投資のラウンドは年2回で、1〜3月と6〜8月のそれぞれ3カ月



  • 重要なのは彼らはインキュベーターではないと宣言していること。Y Combinator自身のオフィスはあるけれど、そこは投資先企業がオフィスを構える場所とはなっていない(なぜなら、投資家の施設に投資先企業を収容するのは、投資家が創業者を雇用しているみたいだからとしている)



  • とはいえ、Y Combinatorの投資先として採用された企業はベイエリアに居を構える必要がある(なぜなら毎週オフィスに出向かなければならないから)





  • 以上techcrunchより引用



    そして、今回聞いたのはその3ヶ月(サービス開発)の間になにをするかです。
    大きく分けてYcomから支援される環境は4つ。ユーザーフィードバック、メンターアドバイス、ライバルとラウンドAです。

    ・1つめは、ポールグレアムが自分たちのサービスのユーザーとなり的確なフィードバックをくれること。かなりぼこぼこにされるらしいのですが、それがモチベーションとなりさらなるリーンスタートアップの好循環を生み出すそうです。

    ・2つめはご存知の通り、火曜日の夜にYcomのアントレプレナー達が集まって既に成功した人たちからアドバイスをもらうのです。

    ・3つめは、火曜日の夜などにライバルの進行状況などが否応がなしに分かってしまうので本当に焦るらしいです。

    ・4つめは、3ヶ月後に投資家へのプレゼン機会が用意されていること。


    ※もっと詳しくYcomを知りたい方はこちらをどうぞ。

    この4つが、特に最初の3つが、アントレプレナーとしての目線と初速度をあげるのにはとても有効的。(DeNAの南場さんが就活生に、社会に出たときの初速度がとても大切とよく言っていることのアントレプレナー版だと思います。)






    では話をtechstarsに戻すと、

    techstarsの創業者David CohenとBrad Feldはアメリカでとっても有名なスタートアップの本『do more faster』の著者であり、techstarsのファウンダーやメンター、アントレプレナーなどの経験をもとにしたアドバイスが章ごとに綴られています。
    日本では売られていませんが、kindleなどで手軽に読めるのでとてもおすすめです。



    もし成功者からの講義を聴きたい人はこちらに実際に行われたレクチャーの動画を紹介しておきます。





    やはり、世界規模のサービスを生み出すのにパロアルトという環境は適しており、ビザがない状態でもYcomを上手く利用することで向こうでスタートアップを出来ることが分かったのは大きいです。
    そして自分の中で再度ネットスタートアップをする際の優先順位は、Ycom>techstarsですが、選択肢が広がったのはとてもいいことだと思います。

    2011年3月28日月曜日

    about San Francisco 1

    ブログ移行しました。これからはこちらをメインにしていきます。




    3/5-3/19でサンフランシスコ、パロアルト、マウンテンビューなどに行ってきました。





    パロアルトは戦いにいく場所でミーハーで行く場所ではないという教えを受けてからの1年、起業やfacebook内アプリの立ち上げ、iPhoneAppの開発などを通してそろそろ行ってもいい時期かなという実感のもと今回の旅を決意しました。


    今回の旅の目的は2つ
    ・β版の現地ユーザーテスト
    ・スタートアップする上で理想と現状とのギャップを埋めるキャッチアップ


    開発の関係でユーザーテストは出来ませんでしたが、実際に行ってみて信じられないほど沢山の出会いとキャッチアップが出来たことはこれからの数年のベクトルを揺るぎないものにするのに十分な経験でした。



    細かい部分は後ほどブログでまとめ直しますが、ざっくり記事を書いてみます。



    今回の旅で特に印象に残ったことは、
    『web内での戦い方と勝ち方は定まってきている』
    ということ。



    簡単に説明させていただくと、リーンスタートアップが全てであること。
    リーンスタートアップはβ版まで出して、改善改善改善の連続でサービスを作っていくこと。もっと知りたい方はquoraのこちらの記事を参照してみてください。

    そして今までと異なるのは理想のスタートアップチームがエンジニア3人だったのが、エンジニア2人とデザイナー1人へと変化していることです。
    フロントエンドまで出来るデザイナーがどれだけいるかが勝負で、デザインを作り込んでいないサービスはユーザーの離脱率が極めて高くなるということを意味するのです。
    誰でもサービスが立ち上げが可能となった今、ユーザーはサービスを離脱するのに必要なコストはゼロで、サービスの質がいいという前提に立てば、そのサービスのよさを理解するまでにユーザーをつなぎ止めておくのはデザインなのです。

    日本ではエンジニア争奪戦が発生しつつありますが、アメリカではひしひしとデザイナーの
    争奪戦が開始されています。
    日本の総合職のようなポジションはリーンスタートアップでは存在せず、チームの中で非常にバリューを出しにくい立ち居値にあることが日本ではあまり明確になっていません。
    これからweb業界で働く上で、総合職としての立場と立ち居値がどんどん狭くなっていくのだろうなという印象を受けました。

    そしてフリーコードやサーバーなどが簡単に調達出来るのでサービス誰にでも作ることが出来るようになった時代では、リーンの考え方に乗っ取らないとそもそも勝負出来るフェーズに載らないということが明確になりました。
    リーンスタートアップを踏まえた上でいかに差別化とユーザー心理、プロモーションを徹底させるかが勝敗を分けるのであると。



    続きはまたひしひし書いていきます。